読み物」カテゴリーアーカイブ

【有料】世界で一番おいしいチョコレート

チョコレートのことをブログに書いてると人に言うと、よく聞かれます。

「どのチョコレートが一番おいしい?」

大抵、その時々で心のままに答えているけど、質問者にとっては手にしづらい商品だったりすることが多いようで、たまには「えっ?そんなに高いの?」なんて反応もあります。

年初から3月にかけての日本でチョコレートが最も売れるシーズンには、たくさん人が世界一美味しいチョコレートを求めて催事場に赴きます。テレビ、グルメ情報サイト、SNS、雑誌とあらゆる媒体に目を走らせ、珍しくて新しくて美味しくて、みんなが羨むような特別なチョコレートを探し求めます。私も熱病のようにチョコレート・フィーバーを患ったまま、ただでさえ忙しい年度末を駆け回ります。

そんな時、もしあなたが世界で一番おいしいチョコレートのクチコミを探していると知ったら、私はそんな無駄なことはやめたら?と忠告してしまうかもしれません。

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【有料】偽りのナシオナル種

かつてエクアドルをカカオの生産で世界第三位にまで押し上げた、ナシオナル種という品種があります。ナシオナル種の独特のフレーバーは世界中のチョコレートファンシャーに愛好されたので、その希少性とも相まって起源にまつわる数多くの噂が生まれ、絶滅から復活したドラマと共に、それらはいつしか神話のようになってナシオナル種の宣伝に使われています。

ナシオナル種はフォラステロ種の派生種だとか、クリオロ種の一種だとか、カカオ第4の品種だとか、エクアドルにしかない品種だとか、古来のナシオナル種は本当は失われたとか、エクアドルの大地で育てないと特徴的な味が出ないとか。

さらに、様々なブランドのものをテイスティングしていると、ナシオナル種といっても色々な味があることに気が付きます。ペルー産ナシオナル種の商品にも出会います。

どうやらナシオナル種には数多くの謎がありそうです。ここで、一旦は絶滅したとまで言われたナシオナル種の歴史を振り返りながら、その謎を紐解きたいと思います。

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【有料】カカオの美味しくない植物分類

植物の知識が少しでもあると、セミナーなどで語られるカカオの分類について多くの疑問を持つと思います。よくクリオロ、フォラステロ、トリニタリオという分類が語られますが、それが植物学的にどういう区分に当たるのかを記述したものは多くありません。

世の中に出回る知識の多くには二つのタイプがあり、一つはコマーシャル向けの通りがよいもの、もう一つはアカデミックなものです。前者は幅広い購買者の知識欲を喚起してわかった気にさせて、商品価値が高い理由(多くの場合、高価である理由)を語るのに使われます。大抵は大雑把で本質を語るのには意味をなさなかったり、時には全く科学的ではないものもあります。後者は学術的な研究に基づくもので多くは難解です。理解できれば知識欲は満たされますが、売り手がアピールする商品価値と離反することが多い上に、知ったからと言ってカカオの栽培、育種、カカオに関する研究をするのでなければ実用になることはありません。大体結論も出ません。何しろ研究半ばの話はそれほどドラマチックなものではなく、尻すぼみに終わるものなのです。セミナーで語っても分かりづらいので歓迎されません。繰り返します。単に、知識欲を満たすだけのことです。

以下に、実利にもならない上に、今後セミナーでカカオの分類について話を聞く度に心の中でため息をつく羽目になる、アカデミックなカカオの植物分類について書きます。

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樋口公実子;柘榴姫社交倶楽部

私は樋口公実子氏の絵が好きです。きっかけは、テオブロマのショップに飾ってあった絵です。一目見て、とても素敵だと思いました。その後、浅草のフルーツパーラーで偶然に樋上氏のイラストが飾られているのを目にしたりして、さらに印象深く感じるようになりました。

そんな樋上氏の原画展が表参道で開かれていることを知り、オープン初日に行ってきました。
樋上公実子原画展
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樋上公実子『バンビと小鳥』原画展
2016年11月28日(月)~12月10日(土)
11:00~19:00、土曜日は17:00まで、日曜休み
Pinpoint Gallery(表参道駅から徒歩3分)
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この度ポプラ社より刊行された新作は、樋上氏が初めて文と絵を手がけた絵本なんだそうです。

そのむすめは、バンビとよばれていました。いつも、美しい鹿皮のスカートをはいていたからです。むすめは、一羽の白い小鳥をこよなく愛していました。バンビと小鳥がともにすごした春、夏、秋、冬。幸福な時間のおわりに、バンビを待っていたものは…?

額装された作品は、樋上氏ならではのやさしいタッチと色遣いで、今回はスイーツがテーマではないのですが、それでもおいしそう。どうしても、私の中ではテオブロマの印象が強くて、口の中に甘い気配を感じてしまうのですが。

原画展の初日ということもあって、樋上氏ご本人がお見えになってました。さすがチョコレートにもお詳しくて、思いがけずチョコレート話に花を咲かせてしまいました。
漫画「失恋ショコラティエ」の水城せとな氏との合作「柘榴姫社交倶楽部」にサインを頂きました。

おとぎ話でよく知られる白雪姫や人魚姫たちが、今の時代のちょっと辛口な女達のようにアレンジされて甦ります。目が覚めて、「聞いてた話と違う……」とつぶやくいばら姫とかね。笑わずにはいられません。樋上氏の素敵なイラストがたくさん載っているので、イメージが広がります。