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宮崎誉子;三日月

宮崎誉子がガーリッシュな文体を使って描く、実にかわいくない少女達の短編集です。主人公の少女達は、会話の語尾には必ずハートマークか小さな母音の平仮名を付けるのが基本で、いつも何か不機嫌。それでも、社会がどれだけ自分に対して無関心なのかは分かっ...
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ヒキタクニオ;原宿団地物語

青山キラー通り沿いにある原宿団地を舞台に、ちょっと変わった住民達の面白くてほのぼのとした生活を描いた短編集。マルチメディアクリエイターでもあるヒキタクニオ氏がスピード感のある飽きのこない展開で楽しませてくれます。 どの話も団地の住人が巻き込...
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胡桃沢耕史;天地紙筒之説

「天地紙筒之説」は胡桃沢耕史著の歴史物語風なSF短編集です。重厚な文体で装飾された話は、どれも人生の重みをたっぷりと含んでいます。 1000年前、太陽の沈む場所を求めて西への憧れを持つ男がいた。遣唐使の従者として中国にわたった日本人が、つい...
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米澤穂信;遠まわりする雛

軽やかなタッチの文体が魅力の米澤穂信が描く青春ミステリ「古典部シリーズ」から、短編集「遠まわりする雛」を紹介します。 「遠まわりする雛」は「古典部シリーズ」の第4弾に当り、前の長編3作が長編なのとは異なり、オムニバス形式の短編6作で構成され...
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アラモ・オリヴェイラ;チョコレートはもういらない

大西洋の真ん中、ポルトガル領アゾレス諸島(アソーレス)生まれの作家、アラモ・オリヴェイラ(Álamo Oliveira)の著書です。 主人公は老人ホームで余生を過ごすジョゼー・シルヴィア。アソーレスに生まれ、第二次世界大戦後に米軍からもたら...
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藤村昌代;チョコレート色のほおずき

チョコレートはチョコレートでも、食べられないチョコレートの話。 テレビ番組のアシスタントとして働いていた女性の離職、病気、失恋を経験して、せつなく揺れる心をノンフィクション風に描いた作品です。 「チョコレート色のほおずき」とは、作品で主人公...
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北村薫;1950年のバックトス

北村薫著の短編集です。どの作品もミステリアスで、夏の夜長にふさわしい読書となりました。 「万華鏡」は作家の家に紺色のワンピースを着た女性が訪れる話です。女は万華鏡のお土産を手渡し、作家の書いた小説の中に出てくる人物との「お付き合い」の許しを...
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梶尾真治;チョコレート・パフェ浄土

「チョコレート・パフェ浄土」は、映画「「黄泉がえり」の原作者、梶尾真治著のSF短編小説集です。どの短編もオモチャ箱のように、小気味よいテンポで繰り出される「楽しいもの」が満載のストーリーです。 「夢の神々結社」では、主人公の少年が、同名の異...
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川又一英;大正十五年の聖バレンタイン 日本でチョコレートをつくったV・F・モロゾフ物語

副題でわかるとおり、モロゾフ洋菓子店の創始者一族の物語です。 モロゾフ洋菓子店は、神戸を代表する洋菓子メーカーモロゾフ株式会社の母体となった店です。経営はロシアからの亡命したモロゾフ一家でしたが、その後、共同出資者との対立から裁判に破れ、チ...
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近藤史恵;タルト・タタンの夢

近藤史恵の描く極上のフレンチとミステリが楽しめます。 下町の小さなフレンチレストラン、ビストロ・パ・マル。無精ひげの無口なシェフが作る料理は客の心を癒し、口を軽くするようだ。客達が口にする不可解な謎を、シェフがもてなしの料理と共に鮮やかに調...