ユーゴ&ヴィクトール;ジョルジュ アマド

ユーゴ&ヴィクトール(Hugo & Victor)はシェフのユーグ・プジェ(Hugues Pouget)氏が幼馴染のプロデューサーとタッグを組んで、ユーゴ&ヴィクトールの名前でパリのセイブル・バビロン界隈に2010年の2月にショップをオープンしました。店名はもちろんフランスの文豪ヴィクトル・ユーゴー(Victor-Marie Hugo)が由来です。現在、本国フランスをはじめ、日本、韓国、ドバイに店舗を構え、世界中のファンを魅了しています。
日本には2011年のサロン・デュ・ショコラが初出展でした。

昨年末、日本橋髙島屋S.C.店に行きました。

ユーゴ アンド ヴィクトール 日本橋髙島屋S.C.店
ユーゴ アンド ヴィクトール 日本橋髙島屋S.C.店

カフェメニューから、スペシャリテのジョルジュ アマド(Jorge Amado)を頂きました。

HUGO & VICTOR Pâtisserie  Jorge Amado
HUGO & VICTOR Pâtisserie Jorge Amado

ビターチョコレートでコーティングされたケーキで、ココアパウダーがまぶされたチョコレートスティックにキャラメリゼされた大きなペカンナッツとロゴ入りのホワイトチョコレートのメタルがトッピングされています。中にもペカンナッツの砕かれたものがたっぷりと入っていて、バニラのムースとチョコレートのムースがそれを包んでいます。
上質なチョコレートの美味しさはもちろん、ムースの滑らかな舌触りと贅沢なほどのナッツの歯ごたえのコントラストが楽しめます。

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お値段はコーヒセットにして1,300円。
総合点:☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆☆
苦味:☆☆☆
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆☆
値段:☆☆☆
その他:大変くつろげました


ここから先はチョコレートではなく、ケーキの名前の元になった作家ジョルジェ・アマードの話。

年末年始の休暇中にジョルジェ・アマードの本を読むことにしました。

ジョルジュ・アマド(Jorge Amado)著書、『丁子と肉桂のガブリエラ』『カカオ』『果てなき大地』
ジョルジュ・アマド(Jorge Amado)著書、『丁子と肉桂のガブリエラ』『カカオ』『果てなき大地』

ジョルジェ・アマードは20世紀ブラジル文学の大家ですが、『果てなき大地』は既読だったものの、今回改めて読むまで筆者名が頭にありませんでした。正直、途中まで以前手にしていたことに気が付かなかったくらいで。

1980年代に日本ではラテンアメリカ文学がブームになったことがありました。柳瀬尚紀翻訳で話題になった全訳『フィネガンズ・ウェイク』や、今や焼酎の名前として圧倒的に知られるマルケス・ガルシアの『百年の孤独』等を私が貪るように読んだのもこの時期です。
当時ブラジル文学の巨匠ジョルジェ・アマードを知り得なかったのは、当時ラテンアメリカ文学が注目されたのが専らマジックリアリズムの手法であったためで、プロレタリア文学を試みカカオ農園の風俗を描いたジョルジェ・アマードの作品は幾分古典的で日本の研究者や純文学愛好者の目を集められなかったのでしょう。残念なことに日本で翻訳物が出版されるようになったのはブームが過ぎた後でした。ブラジルがポルトガル語圏であることも影響しているかもしれません。

ジョルジェ・アマードの初期作品。1930年代、カカオ生産の一大拠点として栄えたブラジルバイーア州南部の風俗をスケッチ的に描いたアンガージュマン文学であり、プロレタリア文学作品である。そこには、奔放な性と猥雑さと死が隣合わせのカカオ農園の過酷な労働が多くのエピソードを交えて描かれている。
地名人名に疎い上、文体か翻訳か原因はわからないけれど大変読みにくかった。会話体が多い習作的作品であることは大いに関係ありそう。

20世紀初頭、血なまぐさい抗争と暗殺者の待ち伏せによる死臭に満ちたカカオ産地イリェウスを舞台にセイロ・グランデの森収奪の戦いを饒舌に描く、ジョルジェ・アマード中期作品の傑作。
原始的な森とアフロ・ブラジルの文化が生み出す叙情性やそのナラティブが秀逸。リベラルな多様性を求めて生きる現代人からは想像もできない程にマチズモな世界がリアルに描かれているのが怖くもあり面白くもあり。
いくつものエピソードを重ねてときには逸脱しながらも細部からストーリーを積み上げていく手法、そして多湿な舞台がガルシア・マルケスの『百年の孤独』や大江健三郎の「雨の木」や森の神話を思い出させ、久しぶりに読み返したくなりました。

ジョルジェ・アマードがアルゼンチンに亡命中に書いた後期作品で、舞台は1925~1958年の経済発展著しい近代イリェウス。その群像からあぶり出される女達の生き様を描いた人間讃歌の物語。
この作品はベストセラーになり、1983年には、主演にイタリアの俳優『甘い生活』で知られるマルチェロ・マストロヤンニ、その相手役にブラジルの女優『蜘蛛女のキス』で知られるソニア・ブラガを据えて映画化されて大ヒットしました。
街中の人を登場させる気かと思うほど登場人物が多いので、人物名を追うのにメモが必須。読み進めるに従い、バーに集まる噂好きの住民の話を一通り聞きかじった「よそ者」のような気分になります。

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